2021年11月17日
街コンジャパンを運営するリンクバルの決算発表、2021年9月期の状況は?

街コンジャパンを運営する株式会社リンクバルの2021年9月期(2020年10月〜2021年9月)決算発表が11月5日に行われました。1年前の2020年9月期決算は半コロ(通常期半分・コロナ期半分)といった状況での決算でしたが、今回の2021年9月期の決算発表は半コロではなく、全コロといった感じでしょうか。
そんな株式会社リンクバルの決算発表資料をみていきたいと思います。
概要
株式会社リンクバル、2021年9月期(2020年10月〜2021年9月)の経営成績の状況は、通期を通じた新型コロナウィルスとそれに伴う緊急事態宣言の影響を受けて、売上が53.1%減少し、それに伴い初の赤字を計上することとなりました。
その一方で、販売管理費は3億2千万円のコストダウンを達成し、営業利益へのインパクトを緩和させることに成功したり、キャッシュフローについてもオフィス移転に伴う敷金の戻りで大幅なキャッシュアウトは避けられています。
新型コロナウィルスの影響
決算発表資料の中には、2020年1月から2021年10月ごろまでの街コンジャパンでの流通額とコロナウィルスの流行度合いを対比して書かれたグラフが含まれており、大変興味深いです。


基本的に土日や祝日にスパイクする形で売上が増えるビジネスモデルのため、グラフ自体は小刻みに大きく動いているようにも見えますが、頭の中で移動平均グラフなどをイメージしながらみてください。
すると、綺麗に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を受けて流通額が変化している様子が分かります。
また、第4回目の緊急事態宣言が終わった後の流通額を見ると、その様子は徐々に回復しているように見えます。とはいえ、グラフの一番最後のスパイクの日の流通額は約750万円であるのに対してコロナ前の流通額は3,000万円ほどあったことを考えると、その規模は4分の1程度となっており、まだまだ元に戻るまでは時間がかかりそうです。
リンクバル社の売上も同様に、新型コロナウィルスの感染状況により上下する結果となりました。
コストの削減
売上が下がった一方で、利益を確保するために、コストの削減も続けられています。開催されるイベントが減ったことに伴い、リンクバル社が使う広告費は大きく減少しています。その他、オフィス移転に伴い家賃の減少や通勤交通費の削減、採用費の削減などにより、トータルで2020年9月期と比べて約3億2千万円のコストダウンに繋がっています。
このくらいの規模になるとオフィス家賃の金額も大きなものになるので、早い段階でオフィス移転を決め、2021年9月期の中で移転まで完了させることができたのは大きいといえます。
来期2022年9月期の目標は?
10月・11月と新型コロナウィルスの新規感染者が落ち着いているという状況もあり、直近の株価も上がり調子となっています。経営目標としては、
11期は黒字化を実現することを最重要テーマとして展開。
いかなる環境においても強固な経営体制の実現を図る。
としており、2022年9月期の目標は、売上12.87億の営業利益100万円を置いています。2021年9月期は売上6.7億・営業利益-3.17億なので、大きく回復する見込み・目標で動いているということになります。
今後の戦略

今までは、自社サービスである
- machicon JAPAN
- CoupLink
- KOIGAKU
- Pairy
をベースにしてこれらのサービス内での売上を稼ぐようなビジネスモデルとなっていました。
今後は、これらのサービスが持つ「未婚の男女216万人」のデータを活用したビジネス戦略を考えているようです。具体的な何かが現時点では決まっているわけではないようですが、
- オンライン結婚相談所
- 人材系
- 顧客シナジーがある事業
- M&A
- 協業
といったことにも取り組み、リンクバルが保有するデータに新しい価値の創造を図っていきます。ただし、活用用途によっては、利用ユーザーから嫌悪されてしまいかねないデータなだけに、その取り組みには慎重にならざるを得ません。
2021年11月中旬時点の株価
2018〜2019年には株価が1,600円を超えるような時もありましたが、その後コロナ直前期で400円程度にまで下落していました。そして、新型コロナウィルスの影響でイベントが減少した結果、株価にもダイレクトに反映し、一時は200円を割るような結果にもなりました。
直近の株価はというと、新型コロナウィルスの影響分を完全に回復するまでには至っていないですが、11月16日の終値時点で342円となっており、かなりの回復を見せています。新型コロナウィルスの流行下では、数ヶ月単位で緩やかに株価が上下していましたが、その上下もかなり収まりつつあり、変動幅が少なくなっています。

自身も、約1年前の株価306円のタイミングで700株ほどリンクバルの株式を購入しています。当初は、タイミングによっては購入額を大きく割ってしまうこともあったり、数万円単位の利益が出ているタイミングもあったりでドキドキ感がありました。しかし、最近は株価変動が穏やかになったことと、新型コロナウィルスの流行状況が落ち着いていることもあり、当初のようなドキドキ感は減ってきて安心しています。
まとめ
今回は、街コンを運営するポータルサイトの最大手と言える「街コンジャパン」を運営する「株式会社リンクバル」の新型コロナウィルスの影響を受けた1年間の決算発表を分析してみました。現在は、新型コロナウィルスの流行が落ち着いたこともあり、業績も順調に推移することを望みながら見守っていきたいところです。