街コン365日ブログ

2020年05月19日

街コンジャパンを運営するリンクバルの四半期決算短信、コロナウィルスの影響は?

街コンジャパンを運営する株式会社リンクバルの2020年1〜3月期の四半期決算短信が5月7日に公開されました。1〜3月は、各企業ともに、新型コロナウィルスの影響が最初に出始めた四半期ということになります。リンクバルもまた、3月以降開催される街コンイベントが少なくなり、また参加者も少なくなっていきました。

そんな株式会社リンクバルの四半期決算短信を分析してみたので、その分析結果を記事にしたいと思います。

概要

株式会社リンクバル、2020年第2四半期(1〜3月)の経営成績の状況は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響による経済活動の停滞、また政府の自粛要請などの結果、リアルのイベントの中止が重なり、売上高は前年同四半期の-22.4%となり、四半期の純利益は、前年同四半期の-42.3%と落ち込みました。

新型コロナウィルスの影響

2019年第1四半期以降、戦略的に他社のイベントを増やしており、自社のイベント売上比率は、11.3%まで減少しており、プラットフォーマーとしての事業戦略は着実に進行していました。そのような状況の中、2020年2月以降、新型コロナウィルスの流行に先立ち、他社イベントが中止となるより早いタイミングで、自社が主催するイベントについて全エリアを対象に2020年5月まで中止を決定しました。

自社イベントの中止を受けて、自社イベントの伸び率は、前年同四半期と比較して、-44.9%となっており、大幅な減少となりました。その後、新型コロナウィルスの日本での本格的な流行並びに首都圏並びに全国での緊急事態宣言による外出自粛を受け、前年同四半期で-16.5%となりました。自社イベントに比べ、他社イベントの影響は少ないものの、売上に対して80%の構成比を占めるため、全体の売上の減少には影響がありました。

このように、他社イベントへの依存度を高めることは、通常の経営においては、プラットフォーマーとして粗利率の高い事業展開が期待でき望ましいものと考えられています。しかしながら、今回のような未曾有の状況下では、自社でのコントロールができず、今後の売上・利益は、他社の動向に大きく影響するものと思われます。

今後の新型コロナウィルスの影響は?

安全性に関しては、ここ数年で現金及び預金の額も着実に増えており、流動負債を大幅に減少させており、流動比率も大きく改善(昨年381.4%→当四半期846.0%)しており、良い状況と言えます。

その状況でコロナ対策として、広告宣伝費等のコスト削減を進めた結果、営業利益以下各段階利益については減少額を抑えることができています。このようなこともあり、支払余力の観点からは、売上・利益の減少があるものの、現時点では安全性の問題は少ないと思われます。

とは言え、3月までのコロナの影響は、まだ一部であると言えます。そのため、第3四半期(4月~6月)の数値に着目する必要があります。今回の分析を行った3月までの数値は、自社のイベントは大きく削減したもの、他社のイベント売上は、プラットフォーマーとしての収益と思われ、イベントの中止の有無に関わらず、一部は、売上計上をしているのではないかと考えられます。

しかしながら、4月以降イベントそのものの数が大きく減少した中で、プラットフォーマーとしての収益は限定されるため、第3四半期の他社イベントの数値に大きく影響してきます。

さらに、株式会社リンクバルの売上は、夏のイベントが大きな割合を占めているため、この夏のイベントがどの程度開催できるか?特に、関係のある他社がコロナ前と同様にイベントを開催できるかが、今年、および今後の重要なカギとなります。

前四半期の売上は?

新型コロナウィルスの影響を受ける前(前四半期; 10〜12月期)の数値を見ると、コロナの影響に関係なく、大きく前年比を割っています。当時の決算説明では、10月の台風の影響でイベントの参加者が減少した結果ということでしたが、街コンプラットフォームのビジネスモデル自体が消費者に対して飽きを感じることになっているのでないかとの心配も感じられる。

利用ユーザーの状況は?

リアルなイベントとオンラインを結ぶ、リンクバルIDの獲得数は、順調に伸びており、200万人を超えるIDが登録されています。その一方で、ID獲得数の増加とオンラインの売上の増加は比例せず、リアルなイベントの売上に影響を受けているように見受けられます。

新型コロナウィルスの流行前と比べて、オンライン会議、オンライン飲み会が一気に定着し、オンラインに対する抵抗も少なくなってきた中、街コンジャパンでもオンラインでのイベントにも注力しており、こちらの盛り上がりがリアルなイベントの減少をどこまでカバーできるかも重要なポイントとなります。

また、リンクバルIDのメイン層は、20-30代を中心とした会員層となっており、今後は40代以上のミドル層をどれだけ獲得できるのか?が当社の大きな課題の一つとなっていると考えられます。

まとめ

今回は、街コンを運営するポータルサイトの最大手と言える「街コンジャパン」を運営する「株式会社リンクバル」の2020年1〜3月期の四半期決算を分析してみました。1〜3月は、まだ新型コロナウィルスの影響が出始めた直後ではあるものの、その影響は既に出始めていることがわかりました。

しかしながら、株式会社リンクバルは、そのような状況下であっても、いち早くオンラインでの街コンを開催し始めるなど素早い動きをしています。また、普段は気にしないですが、現預金もこの数年で着実に増えていることもあり、安定した経営を今後も続けてくれそうと言えます。

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